現金での決済が主流だった券売機にも、キャッシュレス化の波が押し寄せています。駅構内にあるほとんどの店舗が交通系のICカードなどの電子マネーに対応した券売機を導入しているのをはじめ、ファミリーレストランや牛丼チェーン店、ラーメン店などの飲食店でもキャッシュレスの券売機が普及しています。社会全体のキャッシュレス化が進むに従い、現金だけにしか対応していない券売機では来店客の利便性を損ない、ビジネスチャンスを逃してしまうリスクがあるからです。

買い物客と店舗側の双方にメリットがあるキャッシュレス券売機

キャッシュレス決済を利用する消費者が増えるに従って、キャッシュレス決済が使えるかどうかが店選びの基準になることもあります。個人経営の飲食店であっても、キャッシュレス決済に対応することが急務になっています。人手不足が深刻化する中で、券売機を置くことによって店舗オペレーションの効率化を図ろうとする動きも急ピッチで進んでいます。

キャッシュレス券売機を置くことは、アルバイト店員の確保に悩む店側にとってもメリットは少なくありません。例えば、現金のやり取りが減ることによって、従業員がレジ業務などで釣銭の支払いなどによるストレスが減ります。また、窃盗などの犯罪やトラブルに遭うリスクを低減することも可能です。キャッシュレス決済専用の券売機の場合は、釣銭切れが発生するリスク自体がなく、現金が入っていないために券売機をこじ開けて、現金を盗むという犯罪も減るでしょう。

セルフオーダー機能のキャッシュレス券売機によって、オーダー業務も軽減することが可能です。にぎやかな店舗の中で、口頭による注文によってミスを誘発することもあります。券売機によって消費者が何を注文したかは一目瞭然なので、注文違いのミスを防ぐ効果も期待できます。券売機を導入することによって、レジや注文にかけるスタッフを減らし、顧客の満足度を高めるためのサービスに注力することができます。

クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などのキャッシュレス機能を搭載

キャッシュレス決済には様々な種類があります。代表的なものは、クレジットカードやデビットカードです。クレジットカードは比較的、高額な商品の売買に向いています。また、電子マネーには、交通系ICカードやスマートフォンアプリなどがあります。さらに、スマートフォンを使ってコードを表示するQRコード決済も普及が進んでいます。

キャッシュレス決済に対応している券売機の種類には、ボタン式券売機とタッチパネル式の券売機があります。ボタン式券売機とは、各ボタンに商品名と値段を設定したシンプルな券売機です。昔からよく見るタイプの券売機で、今も飲食店やチケットの購入などに利用されています。最近ではボタン式券売機であっても、キャッシュレス決済に対応した機種が販売されています。また、券売機にキャッシュレス決済を読み取る機器が埋め込まれているタイプやオプションで後付けできるタイプがあります。

タッチパネル券売機とは、画面上に表示された商品をタップして決済を進める券売機です。大手牛丼チェーンやラーメン店、カフェなどで普及が進んでおり、セルフオーダーによって注文したメニューが厨房などに送信されるため、少ないスタッフでオペレーションすることができます。タッチパネル券売機の場合には、キャッシュレス決済機能が基本機能でついているものが多く、キャッシュレス決済専用の機種もあります。

店のサービスとコスト、パフォーマンスに合った券売機を選ぶ

多様な機種がある券売機ですが、ボタン式やタッチパネル式のメリットとデメリットを検討し、自社のオペレーションに合ったものを選ぶことが賢明です。ボタン式は利用客が操作に慣れており、導入費用も抑えられます。タッチパネル券売機は、業務効率が上がることが期待できますが、導入費用は高めです。また、店のサービスが、商品数が多かったり、組み合わせの種類が多かったり、持ち帰りや店内利用などのサービスの種類分けもある場合は、どうしても操作が難しくなりやすく、慣れるまではユーザーの問い合わせや注文ミスへの対応も考えておくとよいでしょう。

キャッシュレス対応の券売機を導入するには、購入する、レンタルする、リースするという方法があります。購入して所有物すると初期費用が高くなる一方で、ランニングコストを低く抑えることが可能です。キャッシュレス機能を後付けするなどの自由度もあります。レンタルは、メーカーのレンタルプランの中から自社に合ったものを選ぶことができます。契約によっては短期間で借りて途中で解約することも可能です。初期費用は抑えられますが月額料金がかかります。またリースも、券売機提供メーカーが購入した券売機を借りるので、初期費用を抑えられる一方で月額料金がかかります。


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